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近年、クラウドファンディングによって多額の資金を調達するケースが増えています。中には数日で目標金額に達するプロジェクトもありますが、このような成功を収めるには「サービスの選び方」にこだわる必要があります。

そこで、今回はサービス選びの基本的なポイントに加えて、中小企業や個人事業主におすすめのクラウドファンディングサービスを紹介します。各サービスの違いを比較しながら、自分に合うものを見極めてください。

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クラウドファンディングの選び方は?押さえておきたい4つのポイント

クラウドファンディングは、利用するサービスによってプロジェクトの成功率が大きく変わります。では、どのような点を比較すべきなのでしょうか。最初に、サービス選びで意識したいポイントを紹介します。

1.手数料の仕組み

クラウドファンディングの手数料体系は、利用するサービスによって異なります。特に比較したいのは、以下の3点です。

  • 手数料が発生する部分(着手金の有無やサポート費用など)
  • 調達額に対する手数料の割合
  • 有料オプションの内容と金額

中でも「調達額に対する手数料の割合」は、トータルコストを大きく左右します。多くのクラウドファンディングサービスでは5~10%に設定されていますが、調達額によっては1%の違いでも金額に大きな差が生じるので注意しましょう。

2.アプローチをかけたいユーザーの数

支援金を集める起案者側としては、ユーザー数が多いサービスであるほど有利にプロジェクトを進められます。しかし、自分のプロジェクトに興味を示さないユーザーが多いサービスでは、なかなか目標金額に達しないでしょう。

サービスを比較する際は、アプローチをかけたい年齢層や地域、性別などを明確にし、そのターゲット層が多いサービスを選ぶことが大切です。掲載されている他のプロジェクトにも目を通しながら、各サービスのメインユーザー層を見極めましょう。

3.プロジェクトの傾向や得意分野

クラウドファンディングには、特定の業界やタイプ(寄付型や購入型など)に特化したサービスもあります。サービスによって得意分野が異なるため、掲載されているプロジェクトの傾向はしっかり確認しておきましょう。

その他、資金調達額の目安や反応を得やすいリターンも異なるので、各サービスの特性はしっかり把握しておきましょう。

4.プロジェクトの成功実績

クラウドファンディングの成功率は約30%(国内)といわれていますが、中には70~80%以上のプロジェクトを成功させているサービスもあります。プロジェクトの成功率もサービスによって変わるため、「成功実績」もしっかり比較しなければなりません。

また、自分がチャレンジする分野において「どのくらい成功しているのか?」「総支援額はどのくらいなのか?」を確認しておくことも大切です。

中小企業や個人事業主におすすめのクラウドファンディング

ここからは、中小企業や個人事業主におすすめのクラウドファンディングを紹介します。各サービスの特徴をわかりやすくまとめたので、手数料などを比較しながら自分に合うサービスを選んでください。

1.CAMPFIRE

2011年6月にサービスが開始されたCAMPFIREは、日本最大級のクラウドファンディングサイトです。これまでの支援者数は700万人以上で、総額570億円の支援金を獲得しています。

サービスの特徴としては、圧倒的な知名度や手厚いサポート体制などが挙げられます。公式サイト内で「プロジェクト作成ガイド」が公開されており、プロジェクトの作り方から広め方まで幅広く学べるので、未経験の人でも知識を身に付けながらプロジェクトを立ち上げられます。

サービス名 CAMPFIRE
タイプ 購入型、寄付型(※寄付型は別サイト)
手数料 調達額の10%
実績等 総支援額:570億円以上
総支援者数:700万人以上
掲載数:6万件以上
主な特徴 ・業界最安水準の手数料
・起案者へのサポートが充実
・アニメや漫画、音楽などのアート系に強い
※2022年3月時点のデータ

CAMPFIREの「統計データ」のページでは、文字数や画像枚数、カテゴリごとのプロジェクト成功率を確認できます。プロジェクトページを作成する上で非常に役立つ情報なので、CAMPFIREを利用する人はチェックしておきましょう。

2.READYFOR

2011年にサービスが開始されたREADYFORも、クラウドファンディングでは老舗といえるサイトです。老舗サイトならではの知名度やユーザー数を活かし、これまで数千万円規模のプロジェクトを次々と成立させてきました。

起案者に対して「シングルプラン」と「フルサポートプラン」を提供しており、フルサポートプランでは専任担当者による個別サポートを受けられます。全体スケジュールや企画管理、リターン設計のアドバイスなども行ってもらえるので、経験がない人でも安心してクラウドファンディングを始められます。

サービス名 READYFOR
タイプ 購入型、寄付型
手数料 シングルプラン:調達額の12%
フルサポートプラン:調達額の17%
実績等 総支援額:200億円以上
総支援者数:90万人以上
掲載数:2万件以上
主な特徴 ・2つのプランが用意されている
・フルサポートプランでは専任担当者が付く
・社会貢献や地域活性化につながるプロジェクトが多い
※2022年3月時点のデータ

READYFORはリピーターに向けて特別なサポートを用意しているため、クラウドファンディングを長く利用したい人にもおすすめです。

3.OHACO

(画像=中小企業特化型クラウドファンディングのOHACO)

手厚いサポートを受けたい人には、記事作成を丸投げできるOHACOをおすすめします。

OHACOは初期費用0円で利用できるサービスで、必要な情報を伝えるだけで専用のページを用意してもらえます。プロジェクトの起案はもちろん、事業化から成長に至るまで幅広いサポートを受けられるので、本業に集中しながら資金調達や販路拡大を進められます。

公開されたプロジェクトは、最大50以上のサイトに同時掲載されることもあるので(審査あり)、プロジェクトの拡散性も高いサービスといえるでしょう。

サービス名 OHACO
タイプ 購入型
手数料 調達額の25%
実績等 数十万円~数百万円の調達実績が多数
主な特徴 ・記事制作を専門家に丸投げできる
・初期費用や月額費用がかからない
・最大50以上のサイトに同時掲載される可能性あり
※2022年3月時点のデータ

さらにサポートが充実している「ゴールドプラン」では、クラウドファンディング対応のホームページへとリニューアルしてもらうこともできます。ホームページの新規制作にも対応しているので、Webマーケティング全般に力を入れたい企業にもおすすめです。

4.Makuake

Makuakeは、サイバーエージェントの子会社が運営しているクラウドファンディングサイトです。購入型としては国内最大級のサービスで、総プロジェクト数は2万2,000件以上、トータルで500億円以上の支援金を集めています。

Makuakeでは新製品に関するプロジェクトが多く、これまでに多くの大ヒット商品を生み出しています。最近は大手企業も参入しており、先行販売品を購入・販売できるという新たな消費の形が定着しつつあります。

サービス名 Makuake
タイプ 購入型
手数料 調達額の20%
実績等 総支援額:500億円以上
掲載数:約2万2,000件
平均プロジェクト数:約700件
主な特徴 ・新製品に関するプロジェクトが多い
・最新技術に興味のあるユーザーが多く集まっている
・追加費用なしでPRサポートを受けられる
※2022年3月時点のデータ

Makuakeはサイバーエージェントの情報発信力を活かして、個別メディアアプローチを始めとしたPRサポートも行っています。さまざまな関連メディアにプロジェクトが掲載されるため、会社名や自社製品の認知度アップも狙えます。

5.kibidango

kibidangoは、国内で初めて「YouTubeの承認サイト」となったクラウドファンディングです。動画の再生中に関連ページを掲載できるだけでなく、YouTubeの公式チャンネルでも数多くのプロジェクトが紹介されているため、幅広い層に向けてアプローチできます。

プロジェクトの掲載数はそれほど多くありませんが、各分野のエキスパートを揃えることで約8割のプロジェクトを成功させています。プロジェクトごとに専任担当者が付き、プロジェクトの添削・修正まで行ってもらえるので、初めて利用する人でもクオリティの高いプロジェクトページを作成できます。

サービス名 kibidango
タイプ 購入型
手数料 調達額の10%
実績等 プロジェクト成功率が約8割
主な特徴 ・YouTubeを利用してPRできる
・業界最安水準の手数料
・各プロジェクトに専任担当者が付く
(※2022年3月時点での調査データ)

有料オプションですが、クリエイティブ制作やプロモーションを一任できるサポートも用意されているため、成功する確率を高めたい人は検討するとよいでしょう。

初心者にはサポートが充実したサービスがおすすめ!

クラウドファンディングは、サービスによって特徴が大きく異なります。手数料が安いサービスは魅力的ですが、他にも得意分野やこれまでの成功実績など、比較すべきポイントは数多くあります。

特に記事作成などのサポート体制はプロジェクトの成功率を大きく左右するので、多少の費用をかけてでもサポートが充実しているサービスを選ぶことをおすすめします。

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