クラウドファンディングの中でも、購入型のサービスはリターンの内容によって支援者の集まりやすさが変わります。そのため魅力的なリターンを選ぶことはもちろん、リターンの見せ方にもこだわらなくてはなりません。
そこで今回は、リターンを魅力的に見せるポイントやテクニックを紹介します。短期間で支援者を集めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
クラウドファンディングのリターンとは?
クラウドファンディングのリターンとは、プロジェクトの支援者に対して贈る「お返し(見返り、リワード)」のことです。具体例としては割引券や自社製品などがあり、リターンの内容は起案者が自由に設定できます。
多くのユーザーはリターンを重視して支援先を選ぶため、リターンの内容はプロジェクトの成功を大きく左右します。
リターンに関するルールはある?
サービスによって異なりますが、リターンの内容には以下のようなルールがあります。
○リターンに関する主なルール
・現金など、換金性の高いものは設定できない
・関連法規を遵守する必要がある(特定商取引に関する法律など)
・あまりにも価値の低いリターンは設定できない(寄付にあたるため)
リターンは後で変更することもできますが、その場合は先に支援したユーザーの不利益になるようなものは設定できません。他にも細かいルールが設けられていることがあるので、各サービスの規約はしっかり確認しておきましょう。
リターンを設定する際のポイント
ここからは、魅力的なリターンを設定するためのポイントを3つ紹介します。
プロジェクトと関連があるものを選ぶ
まず意識したいのは、プロジェクトと関連がある品物(サービス)をリターンとして設定することです。クラウドファンディングでは、「このプロジェクトを応援したい」という気持ちから支援先を選ぶユーザーも少なくないからです。
例えば製品づくりに関するプロジェクトの場合は、その新製品をリターンに設定しているケースが多いです。その他、付属品や関連グッズ、サービスの体験チケットなども魅力的なリターンになるでしょう。
このようにリターンを設定すると、製品・サービスのPRにもつながります。
複数のリターンを用意し、複数の価格帯を設ける
プロジェクトの支援者に対して、多くの選択肢を用意しておくことも大切なポイントです。例えば、以下のようにリターンの価格帯を複数設けると、幅広い層から支援を集めやすくなります。
- 低価格帯:数百円~数千円
- 中価格帯:数千円~数万円
- 高価格帯:10万円以上
ただし、同じ価格帯で複数のリターンを用意するとユーザーが迷うおそれがあります。その結果支援をやめてしまうユーザーもいるかもしれないので、同じ価格帯のリターンは1つに絞りましょう。
赤字にならないように注意
リターンに力を入れすぎると、せっかく資金を集めても赤字になってしまうことがあります。それでは本末転倒なので、リターンにはあまりコストをかけないようにしましょう。
本来クラウドファンディングは、プロジェクトを支援してもらうために利用するものです。よってプロジェクト自体の魅力も重要なので、リターンの設定に注力しすぎないようにしてください。
どんなリターンが注目される?成功を収めた事例
実際に成功を収めているプロジェクトは、どのようなものをリターンとして設定しているのでしょうか。ここからはリターン選びのヒントをつかむために、クラウドファンディングの成功事例を見ていきましょう。
【事例1】リターンの組み合わせを工夫/Lussato3兄弟
フランスでビジネスを行う「Lussato3兄弟」は、探し物を簡単に見つけられる製品「Wistiki(ウィステキ)」を先行販売する場として、クラウドファンディングを利用しています。この製品は、Bluetooth機能との連携によって持ち物の位置を知らせてくれるもので、支援金額に応じて以下のリターンを用意しています。
- 3,900円:長方形、メダル型、カード型の製品からいずれか1つを提供。
- 6,500円:3タイプの製品のうち、いずれか2つを提供。
- 8,900円:3タイプの製品を1つずつ提供。
リターンとして用意できるものが少なくても、このように組み合わせを工夫すればバリエーションが広がります。製品やプロジェクト自体に魅力があれば、さらに多くの支援者を集められるでしょう。
【事例2】独創的で希少性の高いリターンで餌代を調達/大分マリーンパレス水族館
コロナ禍によって経営危機に瀕していた「大分マリーンパレス水族館」は、餌代を確保するためにクラウドファンディングを利用しました。目標金額は600万円と決して低くありませんでしたが、以下のようにユニークなリターンを用意することで、見事にプロジェクトを成功させました。
- ペンギンの足跡つきのTシャツ
- カワウソの手形つき台紙
- セイウチの鳴き声(音声データ)
いずれも水族館であることを活かしたリターンであり、簡単に手に入らないものが選ばれています。この事例のようにプロジェクトとの関連性や希少性が高いリターンを設定すれば、より多くのユーザーから注目されるでしょう。
リターンを魅力的に見せるテクニック
最後に、リターンをより魅力的に見せるテクニックを2つ紹介します。
限定品のリターンを用意する
一般市場でも買い求められる製品などを選ぶと、リターンの独創性や希少性がありません。多くのユーザーはクラウドファンディングでしか手に入らないものに魅力を感じるので、できるだけ「限定品」のリターンを用意しましょう。
また、希少性の高さをアピールするために、数量や期間を明記するのも効果的です。
「特別な権利」をリターンにすることもできる
魅力的な製品やサービスがなくても、アイデア次第で多くの支援者を集められます。例えば、北海道でロケット開発事業を行う「インターステラテクノロジズ」は、ロケットの発射ボタンを押す権利をリターンに設定したことで注目を浴びました。
他にも、製品やお店の命名権、無人島の開拓権など、リターンに設定できる特別な権利は数多くあります。実際の成功事例にも目を通しながら、話題になりやすいリターンを考えましょう。
成功率を上げるにはサービス選びにこだわることも重要
クラウドファンディングを成功させる上で、リターンの選び方は非常に重要なポイントです。特に珍しいものはSNSなどでも拡散されやすいので、独創性や希少性にこだわって魅力的なリターンを考えてください。
また、プロジェクトの成功率はサービスの選び方によっても変わります。例えば、記事制作を初期費用0円で丸投げできる「OHACO」は、ホームページ連動型のサービスを提供することで、事業者の資金集めや販路拡大などをサポートしています。
クラウドファンディングでは、資金集め以外にも取り組むべきことがたくさんあるので、何かしらの経営課題を抱えている人はOHACOの利用を検討してみてください。
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