(画像=taka/stock.adobe.com)

クラウドファンディングの成功例を見ると、支援金を集めるコツやポイントを学べます。最近は工夫の凝らされたプロジェクトが多いので、成功例に目を通すだけでも参考になるでしょう。

そこで、中小企業や個人事業主などが参考にしたい成功例をまとめました。成果を出しやすいサービスも紹介するので、自社でクラウドファンディングを活用する際の参考にしてください。

【関連記事】クラウドファンディングのやり方・始め方とは?プロジェクトを成功につなげるポイントも解説

【事例1】最新技術を駆使した製品の先行販売/ファイントレーディングジャパン

まずは、和歌山県の中小企業『ファイントレーディングジャパン』の事例を紹介しましょう。同社は折り畳み式電動ハイブリッドバイク「glafitバイク」を先行販売する場として、クラウドファンディング(Makuake)を利用しました。

販売価格は約17万円と決して安くありませんでしたが、同社はプロジェクトの掲載からわずか3時間で目標金額(300万円)を達成。その後もユーザーは増え続け、2ヵ月半後には1億円以上の資金を獲得しています。

同社は追加リターンとして専用バッテリーや充電器を提供することで、多くのバイクユーザーから注目されました。指紋認証などの最新技術が使われていることや、5つの車体カラーが用意されていたことも、注目を浴びる要因になったと考えられます。

○成功のポイント
・ターゲット層を意識したリターンを用意する
・「最新技術」といった興味を惹く要素を入れる
・ユーザーの好みに合わせて製品のバリエーションを増やす

【事例2】全10種のリターンで幅広い層から支援/ディアブリッジ

デンマークの『ディアブリッジ』も、最新技術によって多くのユーザーから支援金を獲得した企業です。同社はポケットサイズの折りたたみ椅子を日本に広めるため、2016年にクラウドファンディングサイト「Makuake」を利用しました。

この事例で参考にしたいポイントは、豊富なリターンが用意されていたことです。500円~17万5,000円まで全10種類のリターンを用意することで幅広い層から支持され、2,800万円以上の資金を集めました。

日本ではあまり馴染みのない製品でしたが、イラストつきのわかりやすい説明を記載することで、製品の魅力やメリットをうまくアピールしています。

○成功のポイント
・斬新なプロジェクト(製品)を掲載する
・豊富なリターンで幅広い層に興味を持たせる
・イラストなどで製品をわかりやすく説明する

【事例3】色濃いストーリーとチャレンジで登山資金を獲得/栗田史多

モノではなくコトを訴求し、個人でプロジェクトを成功させた事例もあります。

登山家の栗城史多氏は、エベレストへの挑戦を生中継する場として、クラウドファンディング「CAMPFIRE」を利用しました。プロジェクトの概要では栗城氏のストーリーが色濃くまとめられており、彼に立ちはだかる困難や登山のリスクなどもわかりやすく紹介されています。

最終的には400人を超える支援者が集まり、栗城氏は2,000万円を超える資金を獲得しました。限定Tシャツなどのリターンは用意されていましたが、多くのユーザーは彼のストーリーや熱意、そして登山をリアルタイムに感じられる生配信に興味を示し、支援を行ったと考えられます。

○成功のポイント
・ストーリーを伝えて応援される状況を作る
・プロジェクトの魅力やリスクを丁寧に紹介する
・周りから見ても「チャレンジ」に見えるプロジェクトを提案する

中小企業や個人事業主が成果を出しているクラウドファンディングは?

クラウドファンディングを成功させるためには、プロジェクトの規模や内容、目的に合ったサービスを選ぶことが大切です。ここからは、中小企業や個人が成果を出しやすいサービスをまとめたので、サービス選びで迷っている人はぜひ参考にしてください。

1.OHACO

(画像=中小企業特化型クラウドファンディングのOHACO)

OHACOは、プロジェクトの掲載から宣伝までの工程をプロに丸投げできるサービスです。記事制作はもちろん、画像制作などの細かい部分までサポートを受けられるので、パソコン・ネットが苦手な人や本業に集中したい人などに向いています。

OHACOはクラウドファンディングとホームページの連動も得意なので、新規顧客の獲得や販路拡大にも効果があります。初期費用0円でありコスト面もお得なので、サービスの詳細をぜひチェックしてみてください。

2.CAMPFIRE

中小企業の成功実績にこだわる人には、国内最大級のサービス「CAMPFIRE」がおすすめです。CAMPFIREは支援者数・総支援額ともに国内トップレベルであり、支援総額は2022年3月時点で570億円を超えています。

その分競合も多いため、プロジェクトを掲載する際は内容や宣伝方法を工夫しなければなりません。SNSとの連携機能や配信サービスなども用意されていますが、これらのサポートを使いこなすには、ある程度の知識が必要です。

PRやマーケティングの面で悩みを抱えている場合は、スタッフへの相談サポートも活用できます。

3.Makuake

Makuakeは多くの企業とパートナーシップを組むことで、プロジェクトの発信力を高めているサービスです。中小規模のプロジェクトの成功事例が多く、2021年12月時点で500億円以上の支援金を集めています。

Makuakeはサイバーエージェントの子会社が運営しており、プロジェクトの情報発信にあたっては関連サービス・関連サイトを活用できます。ページ設計やプロモーションプランなどのサポートも受けられるため、インターネットの知識がない人でも安心して利用できます。

ただし、掲載企業からの手数料収入で成り立っているサービスなので、サポート費用を含めたトータルコストはしっかり確認しておきましょう。

事例を参考にし、魅力のあるプロジェクトや宣伝方法を考えよう

中小企業や個人事業主にとって、クラウドファンディングは有効な資金調達といえますが、サービスによっては競争率が高いため、プロジェクトを掲載する際は工夫しなければなりません。

今回紹介した事例やサービスを参考にしながら、注目されやすいプロジェクトや宣伝方法を考えましょう。

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