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近年、新たな資金調達手段として「クラウドファンディング」が注目されています。すでにプロジェクトを成功させた飲食店もたくさんありますが、利用する前にサービスの選び方や成功のポイントを押さえることが大切です。

そこで、本記事では飲食店がクラウドファンディングを成功させる方法やポイントを事例とともにまとめました。おすすめのサービスも紹介しているので、資金面で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

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飲食店がクラウドファンディングを利用するメリット

新型コロナウイルスの流行が続く中、多くの飲食店が苦境に立たされています。そのような状況の中、飲食店のコロナ対策としてクラウドファンディングが注目されていることをご存じでしょうか。

まず、飲食店がクラウドファンディングを利用することで得られるメリットを確認しておきましょう。

スムーズに資金を調達できる

クラウドファンディングはオンライン上で手続きを完結できるため、金融機関からの融資などと比べると資金調達の手間を省けます。事業計画書や資金繰り表などを作成する必要がありません。

ただし、手続きの流れはサービスによって異なるので、利用する前に各サービスの仕組みを確認しておくことが大切です。

お店やメニューのPRにつながる

クラウドファンディングに掲載したプロジェクトは、運営会社やユーザーによって拡散される可能性があります。特に独創性や魅力的なプロジェクトは、SNSで話題になることも珍しくありません。

クラウドファンディングはお店やメニューのPRにつながるので、資金調達と販促活動を同時に行える可能性があるのです。

ファンや仲間集めに活用できる

クラウドファンディングでは、支援をしてもらったお礼として魅力的なリターンを贈ることで、コアなファンを獲得できる可能性があります。中には、コミュニティの入会権などを贈ることで、ビジネスの仲間や賛同者を集めるケースもあります。

ただし、支援に対してリターンを自由に設定できるのは、購入型のクラウドファンディングのみです。

飲食店に最適なサービスは?業界特化型のクラウドファンディングも

クラウドファンディングを成功させるためには、掲載するプロジェクトやお店に合ったサービスを選ぶことが大切です。飲食店が特に比較すべきポイントとしては、以下の4つが挙げられます。

○クラウドファンディングの比較ポイント
・手数料の仕組み
・掲載されている案件(分野)の傾向
・飲食業界におけるプロジェクトの成功実績
・起案者へのサポート体制

ここからは実際にどのようなサービスがあるのか、飲食店におすすめのクラウドファンディングを紹介します。

1.Make Story

Make Storyは、レストランなどの飲食業界に特化したクラウドファンディングです。プロジェクトの遂行にあたっては、専門コンサルタントによる手厚いサポートを受けられるため、クラウドファンディングの初心者でも安心して利用できます。

実績も豊富で、事前に本格的なマーケティングアプローチを行うことで、1プロジェクトにつき平均800万円の支援金を集めています。

2.CAMPFIRE

CAMPFIREは幅広いジャンルのプロジェクトを取り扱う、日本最大級のクラウドファンディングです。メインカテゴリーに「フード・飲食店」があり、地域で検索することもできるので、資金調達からPRまで、さまざまな目的に活用できるでしょう。

プロジェクトの作成ガイドやスタッフへの相談など、起案者へのサポート体制も充実しています。

3.OHACO

(画像=中小企業特化型クラウドファンディングのOHACO)

OHACOは初期費用0円でプロジェクトを掲載できる、全業種を対象としたクラウドファンディングです。ホームページの制作から宣伝まで、ほとんどの工程をプロがサポートしてくれるため、本業に集中しながら資金調達・販促活動を行えます。

60社以上の企業(大手新聞社など)と提携しているため、プロジェクトが同時掲載される可能性もあります。SNSマーケティングにも力を入れているので、成長を目指す企業に最適なサービスといえるでしょう。

飲食店がプロジェクトを成功させるポイント

ここからは、飲食店がプロジェクトを成功させるためのポイントを2つ紹介します。

ターゲットを想定したリターンを選ぶ

クラウドファンディングの中で「購入型」と呼ばれるサービスでは、支援者へのリターンを用意する必要があります。リターンは自由に設定できますが、ユーザーにとって魅力的なものを選ばなければ、支援者が集まりません。

したがって、まずは支援者の中心となる層を見極めて、そのターゲットが喜ぶリターンを設定しましょう。例えば、ターゲットが若い女性の場合はおしゃれな食器やグラス、主婦層の常連を作りたい場合は食事券や割引券などが効果的です。

共感を得られるコンセプトやメニューを考える

興味を惹くリターンを設定しても、そもそもお店に魅力がなければ支援金を集めるのは難しいでしょう。クラウドファンディングのユーザーは「応援したい」「力になりたい」と感じるプロジェクトに関心を示す傾向があるので、事前に店舗やメニューを見直すことも大切です。

特に意識したいのは、ターゲット層から共感を得られるようなコンセプトやメニューを設定することです。どういったお店なのか、どのようなお客様に来てほしいのかがうまく伝わるように、事前にコンセプトやメニューを見直しておきましょう。

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飲食店がクラウドファンディングを成功させた事例

(画像=cube197/stock.adobe.com)

最後に、飲食店がクラウドファンディングを成功させた事例を紹介します。自身のケースと比較しながら、支援者を集めるポイントやコツをチェックしてください。

【事例1】限定プランによる特別感の演出/L’inedit

東麻布のフレンチレストラン「L’inedit(リネディ)」は、お得にコース料理を食べられるというリターンを用意することで、短期間で多くの支援者を集めました。支援金額に応じて、5種のワインペアリングやお土産のお菓子などの特典も用意するなど、クラウドファンディング限定ならではの特別感を演出しています。

「二度、幸せが訪れる(※)」という独創的なコンセプトが設定されていることも、参考になります。この唯一無二のコンセプトによって、L’ineditは多くの女性から支持され、最終的に目標の3倍以上の資金(約212万円)を集めました。

(※)メインの肉料理の後に、3皿のデザートが提供されることに由来。

【事例2】既存ファンの力で一気に拡散/ハグコーヒー

静岡県の「ハグコーヒー」は、プロジェクトを公開してから1日で300万円もの資金を集めたコーヒーショップです。成功の主な要因は既存の顧客・ファンの力で、ハグコーヒーのプロジェクトはSNSなどを通じて一気に拡散されました。

普段から顧客や地域との関わりを大切にしていると、「拡散」「宣伝」という形で思わぬ支援を受けられることがあります。ただし、それにはプロジェクトの認知度が求められるので、店舗にポスターやチラシを貼るなど、既存顧客へのアピールにも取り組みましょう。

まずは状況を整理し、最適なサービスを選ぶところから始めよう

飲食店にとってクラウドファンディングは、資金調達の救世主になり得るサービスです。資金調達だけでなく、うまく活用すればお店のPRやブランディング、認知度の向上にもつながります。

ただし、サービスによって手数料やプロジェクトの傾向、サポート体制などが異なるので、まずは自身の状況を整理してから、最適なサービスを選びましょう。

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