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Webで集客する方法とは? 基礎知識を初心者にわかりやすく解説

(画像=BluePlanetStudio/stock.adobe.com)

Web集客とは、その名の通りインターネットを活用して集客する手法のことです。Web集客に取り組んでいる企業は非常に多く、インターネット上に自社が提供する商品やサービスの情報を発信しないとユーザーが比較検討する際の土俵にすら上がれないのが現状でしょう。そこで本記事では、Web集客における基礎知識やWeb集客のメリットとデメリット、集客のポイントなどについて詳しく紹介します。

Web集客の種類

Web集客においてユーザーが自社サイトへ訪問するまでのルート(流入経路)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンやダイレクトメール、SNSなどさまざまです。それぞれの特徴について一つずつ見ていきましょう。

自然検索からの流入(Organic Search)

自然検索からの流入とは、ユーザーがGoogleやYahoo!などの検索エンジンからキーワード検索を行ってサイトを訪れることです。

自然検索からのアクセス数を増やすためには、自社サイトが検索エンジンの上位に表示される必要があります。このために必要な工夫を「検索エンジン最適化(SEO)対策」といいます。SEO対策を行うためには、SEOに関する知識だけでなく質の高いコンテンツが必要です。

有料検索からの流入(Paid Search)

有料検索からの流入とは、自然検索結果の画面上部に表示される「広告」や「Ad」といったマークがついた広告を介してユーザーがサイトを訪れることです。この広告は「リスティング広告」と呼ばれ、検索結果にユーザーが検索したキーワード(検索語句)に連動して掲載されます。

有料検索はコストがかかりますが、検索キーワードに関連する広告が目立つ位置に表示されるため、自社サイトに流入してもらいやすくなる点がメリットです。

ディスプレイ広告からの流入(Display)

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上にテキスト形式やバナー(画像)形式で表示される広告のことです。

例えば、Webサイトの画面右側や下部などに表示されているバナーなどが該当し、ユーザーがバナーをクリックするとあらかじめ設定しておいたWebページへ誘導できます。検索ワードに左右されることなくユーザーを誘導できるため、幅広いユーザーへアプローチが可能です。

ソーシャルメディアからの流入(Social)

ソーシャルメディアからの流入とは、ユーザーがInstagramやTwitter、Facebookなどに投稿された記事などを介してサイトを訪れることです。

自社の公式アカウントを作成しアカウントを育て上げれば、コストをかけずにWeb集客が行えます。ただしアカウントを成長させるためには、時間をかけて取り組むことが必要です。

外部サイトからの流入(Referral)

外部サイトからの流入とは、他サイトに自社サイトへのリンクを設置してもらい、そのリンクからユーザーがサイトを訪れることです。

このように他サイトにリンクを設置してもらうことを「被リンク」と呼びます。被リンクの数が多ければ多いほど集客の窓口が広がり、自然検索の検索順位向上や自然検索結果からの流入増加にもつながるでしょう。

メールからの流入(Email)

メールからの流入とは、メルマガやダイレクトメールなどに記載されたURLからサイトを訪れることです。ただし広告目的のメールは敬遠されがちで、迷惑メールのボックスに振り分けられたり未読のままゴミ箱ボックスへ捨てられたりするケースも少なくありません。

直接流入(Direct)

直接流入とは、一度訪問したサイトをブックマークしておき、検索エンジンなどを経由することなく直接サイトに訪問することです。直接流入をしてもらうためには、ユーザーにとって有益なコンテンツを作り続ける必要があります。

アフィリエイトからの流入(Affiliates)

アフィリエイトからの流入とは、個人ブログなどに貼られた自社サイトの広告用リンクからサイトに訪問することです。

商品やサービスに対してある程度興味があるユーザーを集められるため、そのまま購入につながるケースも多い流入方法といえます。しかし、アフィリエイターへの報酬が必要となります。

Web集客のメリット

(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

次にWeb集客のメリットを見ていきましょう。Web集客の主なメリットは、以下の4つです。

  • 低コストで始められる
  • 狙ったターゲットに届きやすい
  • 施策の効果検証がしやすい
  • コンテンツが資産になる

低コストで始められる

Web集客は無料で始めることができますが、有料でも比較的低予算で行うことが可能です。そのため、広告費が大幅にかかるテレビCMや新聞広告などに比べて費用対効果に優れているといえます。

狙ったターゲットに届けやすい

Web集客の強みは、自社の商品やサービスに関連するキーワードで検索してきたユーザーに対し、商品やサービスを訴求できる点です。ある程度興味関心があるユーザーにアプローチできるため、うまく導線を設計しておけば商品購入に結び付きやすくなります。

施策の効果検証がしやすい

Web集客は、新聞広告やテレビCMといったオフライン集客と異なり、Googleアナリティクスなどの分析ツールを使えば効果を検証しやすい方法です。「どのようなユーザーがいつどんな目的でサイトを訪れたか」なども分析できるため、Web集客以外のマーケティング活動にもそのデータを役立てることができます。

コンテンツが資産になる

Web集客を行う場合、顧客が求める良質なコンテンツ作りが必要です。質の高いコンテンツを用意し、それが認知されれば自然とファンを生み出しブランディング効果も期待できる資産になるでしょう。

Web集客のデメリット

次にWeb集客における主な2つのデメリットを紹介します。

  • 専門的な知識が必要
  • 時間や手間がかかることが多い

専門的な知識やノウハウが必要

Web集客のデメリットとしてよく挙げられるのが「専門的な知識が必要」ということです。例えばSEOの知識やWeb広告の運用スキル、SNS特性の理解など、手法に応じた知識やノウハウがなければ結果は出にくいでしょう。

プロへ外注することもできますがコストがかかります。そのため自社でWeb集客を行う場合、まずは専門知識やノウハウを身につけることが必要です。

時間や手間がかかることが多い

もう一つのデメリットは、時間や手間がかかることです。例えば自社のメディアサイトを作るにしてもまずは良質なコンテンツを複数作る必要があります。

たとえ良質なコンテンツができたとしても、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに自社のコンテンツが認識され上位表示されるまでには、最短でも3〜6ヶ月かかるのが普通です。

Web集客を行うときのポイント

(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

Web集客を行う際には、以下の5つのポイントを押さえておくことが重要です。

目的を明確にする

Web集客を行う際にまず重要になるのは、目的を明確にすることです。目的を明確にしていなければ戦略や施策にブレが生じます。ブレが生じれば成果を出すことも難しくなるでしょう。「何のためにWeb集客を行うのか」を明確にしたうえで戦略を練ることが大切です。

ターゲットを絞る

Web集客の目的を明確にすることができたら、次はターゲットの絞りこみです。自社の商品やサービスの情報を「誰に」伝えたいのかを決めましょう。ターゲットを絞り明確にすることでどのような媒体や手法が最も集客しやすいかを検討しやすくなります。

目標を定める

目的とターゲットが決まったらWeb集客を行ううえでの具体的な目標を定めましょう。数字を使って達成度合いを測れる目標にしておくとより効果が高まります。また、目標の言語化を分かりやすい言葉で行っておくと社内の認識のズレを防ぐことができます。

自社に合った手法を選ぶ

目標が決まったら、それを達成するために自社に合った手法を選びます。ユーザーが商品を購入するまでの行動や感情の変化を「カスタマージャーニーマップ」で時系列にまとめ、ユーザーとの接触ポイントを洗い出してみましょう。ユーザーがどんな行動を取っているのか探ることで、適切な手法を選びやすくなります。

必要に応じて外注も検討する

Web集客のコンサルティングを外部に依頼するのも一つの選択肢です。Web集客に必要な知識を外部から集めてくることで、本来必要となる時間や手間を省くことができるでしょう。

Web集客の方法とは

Web集客の方法は、多岐にわたります。先ほど紹介した5つのポイントをふまえながら、ユーザーと自社の接点を増やせる方法を選ぶことが大切です。ここでは、Web集客の具体的な方法を3つ紹介します。

SEO対策

SEOとは、Search Engine Optimizationの略称です。和訳すると「検索エンジン最適化」となります。SEO対策では、ユーザーがインターネットで検索した際、自社サイトを上位に表示させるためにさまざまな施策を行います。

Googleなどの検索エンジンは、ユーザーから見て有益な情報だと判断したものを上位に表示する仕組みになっています。そのため上位表示を狙う場合、まずは良質なコンテンツを充実させる必要があります。

SNS運用

ICT総研が行った「2020年度 SNS利用動向に関する調査」よると、2020年時点における日本のSNSの利用者は7,975万人(普及率80%)、2022年末には8,241万人へ拡大するとされています。特に若年層の顧客にアプローチしたい場合はSNSの運用は必要不可欠といえるでしょう。ここでは、4つの主要SNSの特徴やメリットを紹介します。

・Facebook
Facebookは実名利用が原則のSNSで、日本では約2,600万人(2019年時点)が利用しており、なかでも40~60代のユーザーが多い傾向です。実名登録が基本のため、他のSNSよりもビジネス利用をしている人も多くいます。Facebookで広告を打つ主なメリットは、以下の2つです。

  • 広告枠の価格が比較的安価
  • ユーザーが登録した個人情報に基づくターゲティングを細かく行える

・Instagram
Instagramは写真や動画の投稿がメインのSNSで、主なユーザー層は10~20代の若い女性ユーザーです。Instagramで広告を打つメリットとして、Facebookと連動した細やかなターゲティングを行える点が挙げられます。

また、ストーリーズという機能の中に広告を掲載することも可能です。ビジュアル性の強い広告を打ちたいときに適したSNSといえるでしょう。

・Twitter
Twitterは、140文字までの短い文章を投稿できるSNSです。主なユーザー層は10~20代ですが、他のSNSよりも幅広い年齢層に利用されている点も特徴です。

広告料は、クリックやフォローなど事前に指定したアクションが起こった時のみに発生します。リツイートされた先で起こるアクションに対して広告料は発生しないため、いわゆる「バズる」投稿ができれば広告の費用対効果は高まります。

・LINE
メッセージアプリとして多くの人が利用するLINEは、他のSNSと比べて国内の利用者数が圧倒的に多く幅広い年齢層から親しまれています。LINE公式アカウントを作り情報発信を行うことで多数のユーザーへアプローチができるほか、ユーザーとのコミュニケーションにも活用できます。

広告運用

広告運用とは、主に外部のサイトに自社の商品やサービスの情報を掲載し集客につなげる方法です。いくつか種類がありますが、ここでは比較的よく使用される5つの方法を紹介します。

・リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!の検索結果やWebサイトに表示される広告のことで、ユーザーが広告をクリックした数に応じて費用が発生する仕組みです。

特定のキーワードで検索しているユーザーに向けて広告を出せるため、商品やサービスに対して関心が高いユーザーに絞ってアプローチできる点がメリットです。

・ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトを閲覧する際に画面の端などに表示されている広告のことです。写真やイラスト、動画などビジュアルを活用した広告を指します。露出が多い割に比較的安価なコストで実施できる点がメリットです。

また複数回表示させることで、最初は興味を持っていなかったユーザーも徐々に関心を寄せてくれることが期待できます。

・リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、一度自社のサイトに訪問したものの購入や契約などをせずにサイトを離脱したユーザーを追いかけて、もう一度表示する広告のことです。自社の商品やサービスに関連したキーワードで検索してきたユーザーに再度アプローチすることで、購買率を高めることができます。

・ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、記事コンテンツの中に商品やサービスの広告を自然に入れこむなど見ている人が広告だと気づかないように出す広告のことを指します。

ステルスマーケティングと違う点は、「広告」ということを明示している点です。ネイティブ広告は、読み手に違和感を抱かせないため、成約率や購買率が高くなる傾向にあります。

・SNS広告
SNS広告とは、先ほど紹介したSNSに出す広告のことです。顧客や潜在顧客からの反応をリアルタイムで把握できる点がメリットといえます。また拡散スピードが早いSNSは、広告を仕かけた後、すぐに成果を実感することもできるでしょう。

PDCAを回してWeb集客の効果を高めよう

(画像=jirsak/stock.adobe.com)

Web集客で成果を出すためには、一つの手法に注力するのではなくさまざまな手法を組み合わせることが大切です。Web集客におけるメリットとデメリットをきちんと理解し、短期と長期でそれぞれの目標を立てたうえで戦略を練りましょう。

また、施策を行うだけでなく必ずPDCAを回して自社にベストな集客法を探し続けることも、Web集客を成功させるために重要なポイントです。