そもそもPOSレジとは?

POSレジとは、販売や在庫などの情報一元管理するPOSシステムを搭載したレジスターのことです。商品の価格や釣り銭の計算、在庫管理、売上集計などのさまざまな機能を備えています。

POSレジを活用することで在庫や売上の管理などがしやすくなり、店舗同士や本部・店舗間の情報共有も簡単です。近年ではデジタル化が進み、クラウド型のPOSシステムが主流となり、より効率的な販売業務を支援しています。

レジスターとの違い

レジスターとは金銭の計算や一時保管ができる機器です。お客さまからもらったお金や釣り銭を保管しておく金庫に電卓を付けたような機器であり、POSレジと異なりデータの蓄積や分析はできません。

一方、POSレジは商品の販売データを蓄積・分析し、在庫管理や本部への報告などに活かせます。売上データの把握や効果的な在庫管理が行えるため、特に在庫数が多い店舗や多店舗経営のチェーンなどにおすすめです。

POSレジに補助金・助成金がおりる理由

POSレジに補助金や助成金がおりる理由はいくつかあります。まず、POSレジの導入は店舗の業務効率化や競争力強化につながります。また、近年ではデジタル化推進の観点から、POSレジの普及が奨励されています。

これらの背景から、中小企業の支援や働き方改革の一環として、POSレジ導入に対して補助金や助成金が提供されることが増えているのです。

POSレジ導入に使える補助金・助成金

POSレジの導入に使える補助金や助成金を4つ紹介します。なお、本記事は2023年に執筆されたものであり、受給の条件や金額は変わることがあります。実際に申請をする際は、各制度の公式ページで最新情報を確認してください。

IT導入補助金

IT導入補助金は、情報処理システムの導入や改善を支援するための補助金です。IT活用により生産性や業務効率を高めることを目的としています。POSシステムは店舗での会計処理・在庫管理、本部との情報共有などに役立つため対象となり得ます。

補助額は5万~150万円の範囲で、POSレジなどの導入にかかる費用の半分です。

公式サイト:トップページ | IT導入補助金2023
https://www.it-hojo.jp/

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、中小企業や個人事業主の事業継続を支援するための補助金です。POSレジの導入によって事業の効率化や競争力強化が見込まれる場合、この補助金の対象となる可能性があります。

補助額の上限は50万円もしくは200万円、補助率は通常3分の2、赤字事業者については4分の3です。

公式サイト:小規模事業者持続化補助金(一般型)
https://r3.jizokukahojokin.info/

ものづくり補助金

ものづくり補助金は製造業やサービス業、小売業などにおける設備・機械の導入や生産プロセスの改善を支援するための補助金です。POSレジの導入が生産性向上や業務効率化につながる場合、ものづくり補助金の対象となることがあります。

補助金額は100万~1,250万円で、上限額は従業員数に応じて変動します。補助率は通常2分の1、小規模事業者や再生事業者は3分の2です。

公式サイト:トップページ|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

業務改善助成金

業務改善助成金は、業務効率や生産性の向上を目的とした助成金です。詳しくは後述しますが、これまで紹介してきた補助金と異なり助成金であるため、要件を満たせば確実に受給できます。

業務改善助成金は従業員の最低賃金を引き上げるための助成金ですが、生産性向上につながる場合はPOSレジ導入にも利用できます。

助成額や助成率は賃金の引き上げ額により異なり、2023年時点では次の通りです。

画像(左側に貼った画像を入れてください。)
出典:業務改善助成金|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

補助金・助成金を使ってPOSレジを導入する流れ

補助金や助成金を使ってPOSレジを導入するには、次の流れに沿って申請を行います。

1.申請する補助金・助成金を決める
2.最新の公募要件を確認する
3.導入したいツールやシステムを決める
4.必要書類を作成・用意する
5.期限内に申請をする

申請する補助金・助成金を決める

先述の通り、補助金や助成金にはいくつか種類があり、補助額や受給条件などもそれぞれことなります。POSレジと一緒にほかのITツールを導入したり、賃上げなどの取り組みをしたり、条件により適切な制度は変わってくるでしょう。

各制度の条件や要件を比較し、自社に最適なものを選びましょう。

最新の公募要件を確認する

補助金や助成金の公募要件は変更されることがあります。特に補助金には申請期限が定められたものが多く、「10期」「15期」と、申請する時期ごとに内容が変わることもあります。

本記事の情報だけでなく公式サイトも見て、最新の公募要件を確認しましょう。

導入したいツールやシステムを決める

POSレジにはさまざまな種類があり、機能や価格などもそれぞれ異なります。中には小売業や飲食業など、特定の業種に特化したPOSレジもあります。費用だけでなく、機能や連携可能なシステムなども確認し、自社に合ったシステムを選ぶことが大切です。

なお、すべてのPOSレジが補助金や助成金の対象になるわけではありません。導入したいシステムが制度の対象となるのか、どのような事業計画を立てれば対象となるのか、しっかり確認しましょう。

必要書類を作成・用意する

補助金や助成金の申請には、一定の書類や情報の提出が必要となります。申請書や事業計画書、見積書、経費明細書など、指定された書類を作成・用意しましょう。

期限内に申請をする

補助金や助成金には申請期限があり、期限を過ぎると受付が終了してしまいます。申請書の記入や必要書類の用意には時間がかかるので、期限を確認し、余裕をもって手続きを進めましょう。

補助金・助成金を使ってPOSレジを導入する際の注意点

補助金や助成金を使ってPOSレジを導入する際の注意点を紹介します。これらを把握していないと、補助金・助成金を受給できなくなったり、受給が取り消しになったりするかもしれません。

補助金は確実に受給できるわけではない

補助金や助成金には公募要件があり、これを満たしていないと受給できません。特に補助金には予算があり、条件を満たしていても必ず受給できるわけではありません。

受給できる保証がないこと、予算の枠や競争率などを踏まえ、受給できなかったときのことも考えておきましょう。

後払い制の補助金・助成金も多い

補助金や助成金の多くは、後払い制度となっています。つまり、事業負担で実費を出し、そのうちの一部が後日支給される仕組みです。支出から受給までのタイムラグを把握し、資金計画を立てましょう。

適切な事務処理をしないと取り消しになることも

補助金や助成金の申請や受給後には、一定の事務処理が求められます。ここで抜け漏れや期限超過などがあると、一度通った申請が取り消しになることもあります。

受給後の処理についてもよく確認し、忘れてしまわないようリマインダーを設定するなどの対策をしておきましょう。

補助金・助成金でPOSレジを導入し、業務効率化を図ろう

POSレジには在庫管理やデータの集計・分析などの付帯機能が多く、これを適切に活用することで業務効率や競争力の向上が期待できます。POSレジ導入に使える補助金・助成金も多く、費用を抑えて導入することも可能です。

ただし、補助金や助成金の受給には条件があります。条件を満たしていても予算超過により受給できないこと、受給後の事務処理を怠り取り消しになることもあり得ます。

申請する補助金・助成金の要件をよく確認し、処理の抜け漏れがないようにしましょう。

自社がどんな補助金・助成金を活用できるのかわからないという方には、「補助金診断」がおすすめです。画面の指示通りにチェック項目を埋めていくだけで、自社が受給できそうな補助金・助成金の種類や金額がわかります。

こちらは自動診断のため、結果もすぐにわかります。チェックは1分ほどで終わるので、忘れてしまわないよう、この場でチェックしてみましょう。

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