返済不要な資金調達にもデメリットがある?

資金調達の中には返済不要なものもありますが、そのようなものにも「経営権を握られかねない」「手続きに時間がかかる」などのデメリットがあります。リスクもデメリットも完全にゼロな資金調達は、ないと思った方がいいでしょう。

本記事では返済不要な、次の5つの資金調達について、メリット・デメリットを紹介します。返済不要なこととそれぞれのデメリットを天秤にかけて、自社に合った方法を探してみてください。

【返済不要な5つの資金調達】 ・補助金、助成金 ・出資を受ける ・融資を受ける ・ファクタリング ・クラウドファンディング

返済不要な資金調達1.補助金・助成金

返済不要な1つ目の資金調達は、「補助金・助成金」です。この後に紹介するほかの返済不要な資金調達と比べて、特にデメリットの少ない方法です。返済不要かどうかにかかわらず、資金調達を考えるときは、必ず候補に入れましょう。

補助金・助成金は国や自治体による、事業主への支援制度です。経済の活性化を目的とした制度であり、事業主や企業を育てることを目指しているため、基本的に返済不要です。

 補助金・助成金のメリット

補助金・助成金には返済不要なこと以外にも、次のようなメリットがあります。

【補助金・助成金のメリット】・審査をクリアすることが信用アップにつながる ・ほかの方法と比べて、ほぼノーリスク ・種類が多く、活用できるタイミングが多い

補助金・助成金は国や自治体による支援制度です。審査はありますが、これをクリアすることは、「事業が国や自治体から認められた」ともいえます。補助金・助成金の審査をクリアすることは、社会的な信用アップにもつながり、ほかの資金調達における審査にも好影響を与えます。

事業や雇用の拡大/維持、ITシステム導入支援など、さまざまな種類があるのも特徴です。事業を進めるうえで資金調達が必要になったら、まずはたった1分の無料診断で活用できる補助金・助成金がないかをチェックしましょう。

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 補助金・助成金のデメリット

補助金・助成金のほぼ唯一のデメリットが、「審査や手続きに時間がかかること」です。特に補助金には予算が決まっていて、要件を満たしていても、受給できないことがあります。時間と手間をかけて要件に当てはまるかチェックしても、確実さに欠けるでしょう。

ただ、本記事で紹介する「ファクタリング」以外の資金調達は、どれもそれなりに手間と時間がかかります。補助金・助成金は返済不要や信頼アップなどのメリットが大きいですし、多少の手間と時間のかかるデメリットは、あまり気にしなくてもいいかもしれません。

返済不要な資金調達2.出資を受ける

返済不要な資金調達の2つ目は、「出資を受ける方法」です。自社に成長の可能性を感じる投資家を探し、彼らから資金調達をします。投資家には、企業として出資をするベンチャーキャピタルと、個人として出資をする個人(エンジェル)投資家がいます。

ベンチャーキャピタルや個人投資家から出資を受け、それを元手に事業を進めます。”

 出資を受けるメリット

出資を受けることには、返済不要なこと以外にも次のようなメリットがあります。

【出資を受けるメリット】 ・資金だけでなく、経営に関するアドバイスももらえる ・投資家を探す過程で、有力者との人脈が広がる

投資家たちが出資をする目的は、「株式売買による差益(キャピタルゲイン)」です。投資家は、投資先の企業が未上場のうちに安く株式を購入し、上場後にそれを高く売ることで利益を得ます。

当然、投資先が成長や上場をできなければ、投資家は利益を得られません。そのため、事業成長や経営に関するアドバイスは惜しみなくしてもらえます。投資家たちは数々のスタートアップ・ベンチャー企業を成功に導いてきているので、質の高いアドバイスが期待できるでしょう。

このような有力者との人脈を、投資家を探す過程で築けるのもメリットといえます。

 出資を受けるデメリット

出資してもらった資金は返済不要ですが、この方法には次のようなデメリットもあります。

【出資を受けるデメリット】 ・自由に経営できなくなるかもしれない ・上場するつもりのない企業は使えない ・投資家を探すのに時間がかかる

投資家からアドバイスをしてもらえるというメリットは、「自由に経営できなくなる」というデメリットと表裏一体です。自社と投資家の意見が合わない場合でも、彼らが自社の株主である以上、意向には沿わなければなりません。

投資家たちの目的は、株式の売買差益なので、上場するつもりのない企業はこの方法を使えません。上場するつもりがあっても、上場(成長)できる根拠を示せなければ、出資してくれる投資家は見つからないでしょう。

返済不要な資金調達3.株式発行

返済不要な資金調達の3つ目は、「株式発行」です。新株を発行し、それを購入してくれる投資家を募り、彼らから資金調達します。

 株式発行のメリット

株式発行には返済不要なこと以外にも、「自己資本が増える」というメリットがあります。株式発行により調達した資金は、そのまま自己資本となります。返済不要などころか、自己資本を増やすことで、企業としての信用アップにもつながるのです。

株式発行のデメリット

株式発行は返済不要な資金調達ですが、次のようなデメリットもあります。

【株式発行のデメリット】 ・企業としての信用が必要 ・経営権を握られるリスクがある ・配当や株主優待を提供しなければならない

株式を買ってもらうには、企業としての信用度が必要です。株式の保有や売買に利益がある、つまり成長しそうだと思ってもらえなければ、買い手は現れないでしょう。

株式の保有割合が高い株主は「議決権」を持つこととなり、経営に意見できるようになります。保有比率に気をつけないと、経営権を握られてしまうかもしれません。

返済不要ではありますが、株主への配当や優待は提供しなければならないことも覚えておきましょう。

返済不要な資金調達4.ファクタリング

返済不要な4つ目の資金調達は「ファクタリング」です。売掛債権を売却し、その金額内で早めに現金を調達する方法です。請求書の金額内で、本来の支払期日よりも早く資金調達できると考えると、わかりやすいでしょう。

ファクタリングは返済不要ではありますが、調達した資金は「返金」しなければなりません。あくまでも売掛債権の売買であり、借金ではありませんが、返金しなければならないため融資と近い感覚の方法といえます。

 ファクタリングのメリット

ファクタリングには次のようなメリットがあります。

【ファクタリングのメリット】 ・負債が増えない ・2社間ファクタリングなら取引先に知られない ・調達した資金の返金スケジュールが立てやすい

ファクタリングで調達した資金は返金しなければなりませんが、これは返済ではなく返金です。お金を返すことに変わりはありませんが、貸金ではなく債権の売却であるため「負債」は増えません。そのため、バランスシートに悪影響を与えることはなく、融資の審査で不利になる心配もありません。

2社間ファクタリングという、利用者とファクタリング会社で行う取引なら取引先(請求先)に知られないのも助かります。

調達した資金は一括で返金しなければなりませんが、これなら融資と違って長期にわたって返済の負担が続くこともありませんし、返金スケジュールも立てやすいです。

 ファクタリングのデメリット

ファクタリングには次のようなデメリットがあります。

【ファクタリングのデメリット】 ・手数料が割高 ・一括で返金しなければならない ・3社間ファクタリングは取引先に知られる

ファクタリングの手数料は1~20%ほどが相場で、融資に比べると手数料が割高です。本来の支払期日に、取引先からお金が振り込まれたら一括で返金しなければならず、使えるのは「つなぎ資金の調達」くらいのケースでしょう。

3社間ファクタリングという、利用者とファクタリング会社に取引先(請求先)を加えたタイプもあります。これは手数料の相場が1~9%ほどと低めですが、代わりに取引先にファクタリング利用が知られてしまいます。

割高な手数料を支払ってでもつなぎ資金を調達したいという状況は、取引先に経営難をイメージさせるかもしれません。信用ダウンにつながるリスクがあることは、覚えておきましょう。

返済不要な資金調達5.クラウドファンディング

返済不要な資金調達の5つ目は、「クラウドファンディング」です。新しい商品やサービスをつくりたい起案者と、それを応援したい支援者をつなぐサービスで、支援者は資金提供をすることで起案者を応援します。起案者はどんな商品やサービスをつくりたいか、インターネットのクラウドファンディングサイトに掲載します。

個人事業主や企業(営利法人)の資金調達では、「購入型クラウドファンディング」というタイプがおすすめです。支援者は支援額に応じたリターンを受け取ることができ、たいていは、起案者がつくろうとしている商品やサービスそのものがリターンとなります。

なお、クラウドファンディングには「All or Nothing」と「All In」の2タイプがあります。どちらもどのくらいの資金を集めたいか目標を設定するのは変わりませんが、All or Nothingでは目標非達成だと集まった資金を受け取れません。

All Inは目標非達成でも集まった分の資金は受け取れますが、掲載プロジェクトは資金不足でも実行しなければなりません。

 クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングには返済不要なこと以外にも、次のようなメリットがあります。

【クラウドファンディングのメリット】 ・テストマーケティングにもなる ・事業のスタート時からファンを集められる

支援額に応じたリターンを提供するクラウドファンディングには、支援や応援の気持ちを軸にしたインターネット通販のような側面があります。この特性はテストマーケティングにも有効で、資金調達と同時に、その事業にどのくらいの可能性があるのかを計れるでしょう。

応援や支援の気持ちを軸にするため、プロダクトや企業のファンも集まりやすいです。支援者からすれば「自分が支援したブランドが成長していく過程」を楽しめるのも、クラウドファンディングの醍醐味です。資金調達に成功し、プロダクトが本格的にスタートしたあとも、継続購入や口コミなどの方法で支援者からの応援が続くかもしれません。

 クラウドファンディングのデメリット

クラウドファンディングには、「All or Nothing」と「All In」の方法ごとに、それなりのデメリット・リスクがあります。

All or Nothingのデメリットは、「かけた時間と手間が水の泡になるかもしれない」ことです。設定した目標額に支援額が届かないと、集まった分の資金も受け取れません。ただ、資金調達が失敗に終わっても、その過程でつくったファンは、その後のプロダクトを応援してくれるかもしれません。

All Inなら集まった分の資金は確実に受け取れますが、「資金不足でプロジェクトを強行するリスク」があります。All Inでは目標の達成・非達成にかかわらず、1円でも資金が集まったらプロジェクトを実行しなければなりません。目標、つまり予算に大幅に届かない資金でプロジェクトを強行せざるを得なくなるリスクがあります。

返済不要で低リスクな資金調達は、補助金・助成金とクラウドファンディング

返済不要な資金調達にはいくつか種類があるものの、それなりのリスクやデメリットがあります。経営権を握られかねない出資や株式発行などの方法は、慎重に使わなければなりません。ファクタリングもつなぎ資金の調達以外では、あまり有効ではないでしょう。

ほぼノーリスクで資金調達できる補助金・助成金は、どんなケースでも最初に検討したい方法です。
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クラウドファンディングのAll Inには「資金不足でプロジェクトを強行するリスク」がありますが、All or Nothingにはそのようなリスクはありません。かけた時間と手間が水の泡になる可能性こそあるものの、金銭的なリスクはないので、優先的に検討したい方法といえます。

クラウドファンディングを成功させるには、魅力的なリターンを設定することが大切です。リターンの設定方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、クラウドファンディングでの資金調達を考えている方は、参考にしてみてください。

リターンを魅力的に見せるポイント&テクニック!クラウドファンディングの上手な使い方